首の手術の影響でうつ病に！？整体、均整法の視点から考察してみます

2023年4月2日 2023年4月14日

院長三竹

首の手術の影響でうつ病になったNさん

2019年9月に、人気お笑いトリオのNさんが、うつ病の発症を公表し、２カ月の休業をされました。原因はその前年の2018年6月に受けた頸椎椎間板ヘルニアの手術だったそうです。手術自体は成功し、術後の経過も順調で痛みもなくなり3週間程度で仕事にも復帰をされていました。しかし、手術後から徐々に注意散漫や睡眠の障害、不安感等が強くなってきて、医師からは手術の侵襲（ストレス）によるうつ病と診断されたようです。

身体の循環を促すことで心の健康増進も

うつ病といえば、近年ウォーキング等のリズム運動は脳脊髄液の循環を促し、うつ病等の精神疾患の改善に有効であるということが分かってきているそうです。脳脊髄液とは、脳と、背骨の中を通る太い神経の束である脊髄の周囲を満たすリンパ液に似た無色透明の体液のことです。外傷等によって、この脳脊髄液が漏れてしまうと、頭痛やめまい、耳鳴り、吐き気、不眠、記憶障害、倦怠感、頸部痛等の症状がおこる脳脊髄液減少症を発症することが知られています。

ウォーキングやジョギング等の運動は血流やリンパの流れだけでなく、身体の深部の脳脊髄液の循環も促してくれ、頭もスッキリさせてくれるんですね。

整体にも身体の循環を促す手技が多くありますし、身体の捻れや歪み、緊張を改善することで循環も改善することが期待できます。

また、リンパポンプと呼ばれる手技を用いると、白血球の増加やセロトニンと呼ばれるホルモンの増加が観測されるようです。セロトニンは幸せホルモンとも呼ばれ、不足するとイライラ感や疲労、向上心や意欲の低下につながり、うつ症状につながるということも言われています。

整体の観点からの考察

以上のことから、首の手術後にうつ病が発症したということを考察してみます。

手術の影響で首のどこかに緊張が残ったり、頸椎の歪み等が残っていたとすると、頭部への血液やリンパ液等の循環が悪くなり、脳への酸素や栄養の供給が阻害され、老廃物の排出機能も低下することが考えられます。東洋医学では、滞った血液や血液の流れが滞った状態、それに伴って起こる様々な症状のことを瘀血（おけつ）と言います。整体的な考察ではありますが、頭部への循環の悪化（頭部の瘀血）から、うつの様な症状を招くこともあるのではないかとも思います。